日本の英語教育と国際社会での英語力

実は私、20年以上英語圏に住んでいます。
日本を離れて久しいので、今の日本の英語教育がどうなっているのか
さっぱり把握できていないのが現実ですが、
日本で英語教育を受けて英語圏に移住した人間として
自分が受けてきた英語教育と英語力のズレについて
これまで感じてきたことを、今日はちょっとお話してみようと思います。

まず、私が感じてきたこと。
当然、私自身も含めての話ですが。。。
全体的に見て日本人は押しが弱い😅
これまで学生時代から社会人としてアメリカで生きてきたので
アメリカに暮らす日本人の人との交流もそれなりにありました。
これは言語力というよりも性質なのかな、と思わなくもないのですが
自分の意見を言う、とか何かを主張するという行動を
苦手とする日本人は多いんじゃないかな、と私は感じています。

良く言えば穏やか、悪く言えば無個性でしょうか。
きっとこれは協調性を重んじる社会という
日本の文化が大きく関わってくるのだと思いますが
聞き役を得意とする人が多いのかな、という気がします。
にこにこ笑って人の話を聞いていることが多く
意見を求められると困った笑顔で固まるリアクションは
結構よく見られる日本人の反応だと思うのです。

そもそも英語を苦手とする人から良く聞く不安要素。
”伝わらなかったらどうしよう”
”間違えたらどうしよう”
”きちんと話さなければいけない”
などなど。
日本人は英語を話す際にも自分の中の合格ラインが高い。

長年英語圏で暮らしているのに
なかなか英語が上達しなかった私がまさにこれなのですが
私の場合は相手に伝える内容を考えて
日本語で文章の構成を考えた上で
それを英語に変換していく。
そんな作業を延々としてきたように思います。

これって、日本の英語教育の中で
散々”正しい文章”を覚えこまされてきたから、
なのではないのかなと思うのです。
受験英語にも象徴されていますが
正しい文法を理解したり、難しい単語を覚えなければ
なかなか点数に繋がりません。
私たちの時代では「読んで書くことができること」が主な評価の対象でした。
今でこそ、コミュニケーション力が重要視されるようになってきたようですが
英語に勉強要素が強いのは相変わらずなのではないでしょうか。
(再度但し書き。。。今の英語教育の現状はよくわかっていません。。。😅)

私は学生時代、学校で習う教科としての英語と英会話は別物と感じていました。
英語の成績はどちらかと言えば良い方だったのですが
今一つ学校の英語は好きになれませんでした。
それでも、私の体験から言うと
正しい文章を形成できたり読み解けたりするのは武器になります。
例えば学校に通う場合のレポート作成や
会社勤めで英語で資料をまとめたりするなんて業務では
この日本人の文章力は大きなプラスです。
なので、英語の勉強って役に立つのかな、と疑問に思う人
答えは「役に立つ」なので、ひとまず頑張って勉強してみてくださいね。

そしてコミュニケーション力という点。
さきほどもちらっと触れましたが、
日本人はコミュニケーション力が弱い人、多いと思うのです。
間違いを恐れずに他人と会話をする度胸とでもいいましょうか。。。
人種のるつぼであるLAでは、色んな国の人と出会う機会が少なくないのですが
他の国の人は勢いで話している節があるよな~と思ったりします。
ブロークン英語である場合も多いのですが
それでもどんどん会話に参加しています。
他国の人は勢いで話していますよね。
アジア系は大人しいと思われがちですが
意外と貪欲にコミュニケーションを取っていくお国柄も多く
多分、日本人は断トツに大人しい傾向があるのだと思います。

なので、日本人が海外で通用する英語を身につけるために
注目するべきはプレゼン力だと思います。
繰り返しになりますが、日本人は学校での英語教育を通じて
英語の基礎力を備えている人が多いです。
後はそれをどう表現していくのか。

以前ブログでも紹介したことがあると思うのですが
息子が小学生の時に、担任の先生から受けたアドバイスが
とても的確だったなと思うのです。
それは「自分を売り込む力を備えなさい」ということ。
息子の場合はすでにバイリンガルで言葉の問題はありませんでしたが
性格は実に日本人的。
それを見取った先生が彼に伝えたアドバイスが
アメリカでは自分をアピールする力も重要ということだったのです。

先生によると、息子は難しい問題でも
指名されればちゃんと答えることができる。
ただ、自分から発表しようとする姿勢は極端に弱いとのこと。
アメリカ社会では、能力があってもアピールする力が無ければ
できないものとして判断されかねない、ということで
今後、アメリカ人として生きていくためには
必須の技術だと教えてくれました。

このアドバイスは多くの日本人にとっても
とても大事なこと、だと思います。
アメリカで良く聞く言い回しに
”Fake it until make it”というのがあります。
意味は「出来るまでは出来る真似をしろ」といった感じでしょうか。

ということで、皆さん初めははったりでも構いません。
日本で培われた英語の基礎力を信じて
どんどんコミュニケーションに踏み出していってくださいね。

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