動物を”買う”という選択肢の前に

先日、知人の家に新しい子犬を迎えたという話を聞きました。
動物大好きな私としてはとても楽しい話題だったのですが、その反面で少し残念な気持ちで話を聞いていたのも事実です。
というのも。。。
知人の家に来たのはご家族がブリーダーさんから購入した、生後4週間ほどの子犬ということだったから。
しかも犬種は最近よく耳にするようになった、新しいかけ合わせの犬種なのだとか。。。

実は私、長年動物業界で働いてきた経歴があります。
子供時代からたくさんの動物に囲まれて育ってきたので
大人になってからは動物愛護のボランティアにも長い間関わってきました。
なので、動物保護の厳しさや殺処分の問題にもかなり切実な思いがあります。
悲しい資料や映像をたくさん見てきましたし、動物たちの生死にも深く関わってきました。
だからこそ動物を飼う人には、まずシェルターなどで行き場のなくなった動物たちに手を差し伸べてほしい、と思わずにはいられないのです。
そして同時に、望まれない動物たちがこれ以上増えることがないように
不妊手術、去勢手術を行ってほしいと考えています。

まず知人の家に来た子犬について。
ブリーダーさんという職業については私もそれほど詳しくもないので、
頭から否定することは出来ない、とは思っています。
愛情をもって世に新しい命を送り出すお手伝いをされているブリーダーさんたちも
きっと多くいらっしゃるのだと思いますし、
動物たちと真摯に向き合っていらっしゃるブリーダーさんたちには、
敬意を払うべきだと思うのです。
ただ、よく耳にするペット業界の売買にはやっぱり疑問に思う点があるのです。

知人の家に迎えられた子犬は生後4週間くらいだと聞きました。
まずね、生後4週齢といったら、お母さんと一緒に過ごすべき年齢だと思うんですね。
離乳して固形の食餌を取れるくらいだとは思いますが
そもそもその年齢で母親と引き離される子供たちを考えると胸が痛くなります。。。
それに4週齢なんて言ったら、予防接種が受けられる歳にも達していませんから!
体の免疫細胞もしっかりしていない状況で知らない場所に移されるなんて、ありえないです!
移動で体にかかる負担、病気のリスクなどなど、
幼い体に負わせる負荷としては、大きすぎませんか?
以前は飛行機で移送ってよく聞きましたが、今でもそうなんですかね。。。
その辺の事情がよくわからないので、何とも言えないのですが💦
今でも幼齢の動物たちの飛行機での移送が行われているのだとしたら。。。。
怖すぎます。
成犬でも負担が大きいんですから。。。
訳も分からず親から引き離されて、心細い中で移送されて、初めての環境に晒されるって。
しかも幼齢の動物なんて、体調を崩したらあっという間に命に関わりますし。。。
ほんとやめてほしいです!!

ブリーダーさんで誕生した命も、等しく命。
生まれたからには、その子たちにも幸せになってほしいと思います。
それは本当に心から。
でも、人間の都合で繁殖させるのであれば、それは断固反対です。
世の中にはすでに行き場のない動物たちがあふれています。
毎日毎日、行き場のない命が消されている現実があるのです。
それを多くの人に知ってほしいし、動物を飼うときには思い出してほしいと思います。
需要があるからこそ、動物販売のビジネスが成り立っているのですから。

そして、知識もなく繁殖させようとしてきた個人ブリーダーさんにも会ったことがあります。
自分のかわいいペットの子供が見たい、あわよくばその子供たちをそこそこの値段で売りたい、なんて言葉を聞きました。
売らないまでも、自分のペットに一度は生ませてあげたいなんて意見を聞くこともありました。
でもね、自分のかわいいペットの子供の命に、責任を持つつもりがあるんでしょうか。
責任を持って自分が飼う、または飼い主を見つけてあげるのは当然のことですが
見つけた新しい飼い主さんも、あなたの子犬が来なければ、もしかしたらシェルターから引き取る選択肢があったのかもしれない、と考えてみてほしいのです。
極論ですけどね。。。
でも、動物愛護の根本にはそんな現実がありますから。。。

なんて。。今日はとても真剣な話をしてきましたが
誰かが立ち止まって考える機会になってくれればいいなと思います。

Petfinderというサイトでは一時預かりボランティアや引き取りの情報収集や申し込みができるようです。
今日の記事でちょっと興味が出たなと言う人がいたら、ぜひ覗いてみてください。

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